立ち上げの日に

震災から13日。
私はいわき出身,関東で働いている。
震災の話題に福島出身と言うと「でも福島は,あんまり被害なかったですよね」という言葉が帰ってきた。
福島の大変さが伝わっていない!
焦りを感じた。
もちろんもっと大変な状況,被害の大きい地域もある。
でも,福島の状況もわかってもらう必要がある。

いわき市内ではまだ6割が断水している。
原発の影響で水道業者が市を出てしまい,復旧が思うように進まないという。
小名浜港が早々に開港し,常磐道も開通した。
自衛隊が物資を届けてくれている。
でも物資が足りないため,明日は家庭への配給はできないという。
物資が集まってもガソリンが不足し,広い市内に物資を行き渡らせることに苦慮している。
都内では,港区でいわきへの物資を受け付け始めた。
ひとりでも多くの人にそのことを伝えたい。

農作物や水道水から検出される放射線濃度も上がり始めた。
市内では安定ヨウ素剤が配布されている。
避難所にいる「避難者」にはカウントされない多くの人が,
親戚や知人を頼って避難している。

そして,個人的には一番恐れていたことが起き始めた。
福島からの避難者が宿泊を断られたというニュース。
首都圏では,福島から避難してきた人たちへの差別が始まっている。
もちろんあたたかく迎えてくれている人がほとんどだけれど,
福島やいわきナンバーの車が白い目で見られたり,文句を言われたという報告が増えてきた。
中には,福島が計画停電放射能漏れの加害者であるかのように思っている人もいる。
福島の人たちは関東圏の電気を作るためにリスクを負い,自分たちは東北電力の電気を使ってきたんだよ。
正しい情報を伝えなくてはいけない。

震災から毎日,何もできずに悶々としていた。
どういうわけか罪悪感もある。
でも,何かできることはあるはず。
ひとりでは,できることも限られているけれど,
支援の輪が広がることを願って。。。

追記
どうやら少しずつ,いわきは動き出してるみたいです。
いわきに戻る人もいるようで。
地元ボランティアも動き出しています。

2011.3.24
aki0246